変形性膝関節症は、関節軟骨の老化や肥満などにより、膝関節が変形してしまう疾患です。激しい運動で膝関節を酷使される方、膝などの外傷を負った方などにも起こりやすいと言われています。膝関節に過度の負担がかかると、軟骨が摩耗して擦り減っていき、骨同士が直接ぶつかるようになります。これに伴い、膝関節の可動域が制限されたり、歩行が困難になったりします。膝の痛みにより、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。
初期の段階では、何らかの動作を開始する際に違和感を覚える程度です。しかし、進行するにつれて長時間の歩行などが難しくなります。さらに悪化すると、歩行中に慢性的な痛みが続く、膝関節の可動域が狭まる、正座ができなくなる、階段の昇り降りがつらくなる、横になっていても痛みが治まらない、といった症状が起こります。「椅子から立ち上がるときに違和感がある」、「歩き始めに少し痛みが走る」といった段階で受診することにより、症状の悪化を遅らせることができますので、まずは当院までお気軽にご相談ください。
膝関節の内側と外側には、膝関節のクッションの役割をしている「半月板」があります。半月板損傷は、この部位が損傷を受けてしまう状態です。膝関節に過度の負担がかかったり、思わぬ方向から外力がかかったりすることで起こります。バスケットボールやバレーボール、スキーなど、ジャンプや方向転換が多いスポーツの場合、事前のストレッチなどをきちんと行っておかないと、半月板損傷が起こりやすくなるので十分にご注意ください。
治療に関していうと、半月板を損傷した直後は、まずRICE療法を行います。具体的には、患部を圧迫して冷却し、挙上した状態で安静にします。さらに、装具やテーピングを行って患部を固定します。その後、症状が安定したらリハビリテーションを開始します。なお、重症の場合は手術療法が必要になることもあります。
膝靱帯は、前十字靱帯、後十字靱帯、外側側副靱帯、内側側副靱帯という4つの靱帯で構成されています。膝に強い外力が加わると、こうした靱帯が損傷してしまうことがあります。これが「膝靱帯損傷」です。この中には、靱帯が完全に断裂してしまうケース、部分的に断裂するケース、一部のみが損傷しているケースがあります。膝靱帯損傷は、日常生活の様々な場面で起こりうるのですが、コンタクトスポーツを行っているとき、交通事故によって過度の力がかかったときに起こりやすいです。
膝靱帯を損傷すると、まず膝の痛みが起こり、徐々に腫れてきます。さらに、膝関節の可動域制限がみられます。こうした症状は2~4週間ほどで軽くなっていきますが、膝に不安定感が出てしまうことがあります。この状態を放置し続けると、半月板損傷や関節軟骨損傷を発症するリスクが高くなるので、きちんとした治療を受けるようにしてください。