骨粗鬆症は、中高齢の女性をはじめとして、非常によくみられる疾患です。ホルモンバランスの変化などによって骨密度が低下してしまい、骨がもろくなります。階段を踏み外す、段差でつまずく、転倒しそうになってふんばるなど、ちょっとした外力で骨折してしまいます。なお、骨粗鬆症は「原発性骨粗鬆症」、「続発性骨粗鬆症」の2つに分けられますが、全骨粗鬆症患者様の約9割は原発性と言われています。このなかでも、閉経を起因として発症する「閉経後骨粗鬆症」、高齢者にみられる「老人性骨粗鬆症」が特に多いです。一方、続発性骨粗鬆症では、内分泌疾患や関節リウマチ、ステロイド薬の長期服用などにより、骨密度が低下してしまいます。
骨粗鬆症になると骨の強度が低下するのですが、初期の段階では目立った症状が現れません。そのため、医療機関を受診したときには、病状が進行しているケースも少なくないです。以前よりも身長が低くなった、背中や腰が曲がってきた、背中や腰に痛みがあるといった場合、骨粗鬆症が疑われます。放置していると、脊椎や大腿骨近位部などを骨折してしまい、寝たきり状態になる可能性が高まります。そのような事態に陥らないよう、お早めに医療機関を受診することが大切です。
椎骨と椎骨の間には、体重などによる負担を緩衝する椎間板があります。この円形の軟骨組織が加齢による変化によって変性してしまうと、慢性的な背中の痛みが起こったり、体をうまく動かせなくなったりします。このような症状を伴う病気が「変形性脊椎症」です。軽度の患者様の場合、痛みなどがみられないこともありますが、進行するにつれて神経根や脊髄も圧迫されてしまい、神経症状が出現します。主な原因は、加齢に伴う脊椎の変性ですが、背中に負担のかかる仕事をされている方、遺伝的な要因のある方は、比較的に若い年代でも変形性脊椎症になります。一般的には、消炎鎮痛剤などによる薬物療法、腰痛体操、温熱療法、コルセットで腰を固定する装具療法、神経ブロック注射などで症状が改善します。しかし、神経の圧迫が強度なケースなどでは、手術療法が必要になることもあります。